坂井建設 MBO方式での事業継承に成功

坂井建設 MBO方式での事業継承に成功
2019年7月23日 大谷尚子

社会課題である後継者不足問題を見事にクリア!!
MBO方式での事業継承に成功
8月1日(木)、新社長に臼井栄仁が就任し新体制でさらなる成長

大分に根ざした創業59年の株式会社坂井建設(大分県大分市中戸次/代表取締役 坂井泰久)は、現代表取締役の坂井泰久から常務取締役の臼井栄仁が経営権を買い取る『MBO』の形式で会社を継承します。臼井栄仁が社長に8月1日(木)に就任することでさらなる企業成長を図ります。近年、中小企業の経営者の大きな課題のひとつに後継者問題が挙げられる中、今回の継承は新たな形の事業継承です。

坂井建設、事業継承の特徴

①同族経営であったがさらなる企業成長のため、社員によるMBO方式で事業継承を実施。
②現社長の坂井泰久は50歳と経営者としては若いが建設業界全体の課題に立ち向かうため(職人減少に歯止め)企業経営の第一線 から退く。
③社会問題である事業継承を行政や銀行の力を借りることなく社内で実施!!

事業継承者

現在坂井泰久が代表取締役を24年務めていますが、7月31日をもって坂井が代表取締役から退き、8月1日からは現常務取締役臼井栄仁が就任します。

【現代表取締役】
坂井泰久(さかいやすひさ)
年齢:50歳
坂井建設の代表を24年間務めた坂井は、今後職人育成へ力を入れるべく、7月31日をもって坂井建設の代表取締役を退任する。

【新代表取締役】
臼井栄仁(うすいひでひと)
年齢:42歳
元和食料理人から不動産営業に転身。8月1日より坂井建設の社長に
就任する。

中小企業の経営者交代の現状

近年、中小企業の経営者の大きな課題の一つと言えるものに、事業継承が挙げられます。1995年の経営者年齢のピークが47歳であったのに対し、2015年の経営者のピークは66歳となっており、経営者の高齢化が進んでいることがわかります。また、後継者の不在率をみると、年齢が高くなっていくにつれて後継者がいる経営者が増えてくるが、60歳以上の後継者不在率は48.7%と、約2人に1人は後継者が居ない状況です。また、後継者が居ないために、黒字のまま廃業する企業が多くあり、技術の継承などがうまくいっていないのが現状であります。(引用:中小企業庁「中小企業の経営者の高齢化と事業継承」)

MBOとは

MBOとは、「Management Buy Out」の略称で会社の代表者等の役員がオーナーから株式を取得することで、新たなオーナー経営者となる処理のことです。
近年では、親族継承が35%、親族外継承が65%と、その割合は親族内継承を大幅に超えています。会社内には有能な人物がいることも多々あり、役員や従業員であれば会社内部のことをよく知っているということから、それまで築きあげてきた事業を今後も発展させていける可能性が十分にあると言えます。(引用:債権回収弁護士ナビ「事業継承型MBOの基礎知識」)